脳内徘徊
脳内徘徊
喉の乾きに目を覚まし
ひとけの無い砂漠を歩く
ループしていた空耳が消えて
方位磁石の針が折れた
進んだはずの時間が回転して
最初の位置まで戻ってしまう
音も匂いも何も無い
ただ白い壁に囲まれて
えがくものが一つも無くて
涙も笑いも何も無い
ただ黒い闇に支配されて
壊すものが何も無くて
誰だか分からぬ人の名前を呼ぶ
私は一体誰なのだろう
温度も色も何も無い
寒さも暑さも何も無い
何一つ触れられない
これはまだ夢の続きなのでしょうか
刺された胸が痛く無いのは
きっと夢の悪戯なのでしょう
見えてた筈の景色が消えて
何も無い壁に向かって
ひとり貴方と交信している
何も無い空間で恐怖を殺せず膝を抱えて
貴方が消えて 痛みが消えて
オモイが消えて あたしが消えて
はいでもはいでも終わらない
覚めても覚めても終わらない
ここは一体何処なのですか…?