月兎 月兎


暗闇の中手探りで
地面を這っては出口を探す

わずかに照らす月の灯りが
こちらにそっと手招きするから
あたしはいつも手をのばして
夜の森へ迷い込み
貴方の仕掛けた甘い罠に
はまって何度も落ちてゆくの

穴を掘っては抜け殻埋めて
海の底までカラダを沈めた

感覚の無い皮一枚の皮膚が
赤い色に染まってゆく

麻酔をかけたココロをえぐって
痛みは無かった筈なのに
小さな刺がちくりと刺さるよ