矢印
矢印
矢印の方向は
いつも悪戯にねじ曲がり
そこら中に散らばる
無数の方位磁石は
当然の顔をして
違う方位を示しているけど
何一つ狂ってなどはいないのだろう
たとえ明日になれば
回転してしまうような針に導かれ
夜の森に迷い込んでも
そう悪くは無いものなのでしょう
インクの滲んだ地図を片手に
その足は何処に向かっているの?
もつれた足で気紛れなステップ踏んで彷徨い歩く
曇り空の下傘を畳んで
次ふる雨にうたれて濡れてもかまいはしないの
傘じゃ到底さえぎれ無いなら
太陽の下干涸びるよりはましなくらいよ